住まいの不満4割、最多は収納不足 狭い部屋を変える考え方

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住まいの不満4割、最多は収納不足 狭い部屋を変える考え方

住まいに不満を持つ人が約4割に上り、理由の1位は収納不足でした。単身世帯の暮らしを例に、広さより収納設計が満足度を左右する理由と、賃貸経営や住まい選びで実務に使える視点を解説します。

ニュースの概要

住まいの間取りに関する調査で、現在の住まいに不満を持つ人が約4割にのぼることが分かった。不満の理由として最も多く挙がったのは「収納不足」である。一人暮らしや新生活で住戸を選ぶ際、家賃や立地ばかりが注目されがちだが、限られた面積をどう使えるかが暮らしの満足度を大きく左右している。単身世帯では、衣類、家電、日用品、在宅勤務の道具までを一つの空間に収めなければならない。そのため、収納の量だけでなく、どこにどう配置されているかが暮らしやすさを決める。今回の結果は、広さの数字だけでは測れない住まいの質を、あらためて示している。

引用元: 現在の住まいに4割が不満、最多理由は収納不足(Livedoor News)

分析・見解

不満の1位が収納になる、暮らしの構造的な理由

住まいへの不満といえば、家賃の高さや駅からの距離を思い浮かべる人が多い。しかし、入居後に毎日感じ続ける不満は、別のところにある。それが収納だ。家賃や立地は契約時に納得して選ぶ条件である。一方、収納の不足は住み始めてから初めて実感する。しかも、荷物は年々増えていく。

単身世帯の荷物は、想像以上に種類が多い。四季の衣類、寝具、調理家電、掃除機、季節家電、さらに在宅勤務の机まわりの道具や梱包材まで加わる。これらが一つの部屋に集まると、床面積が荷物に奪われていく。

広さより使える奥行きと高さが効いてくる

同じ25平方メートルの部屋でも、収納の質で住み心地は大きく変わる。たとえば奥行き90センチの押入れは、布団を入れるには向いている。だが、衣装ケースを並べると奥のものが取り出せなくなる。反対に、奥行き55センチ前後のクローゼットは、ハンガーに服を掛けて出し入れしやすい。

数字の上では同じ「収納1か所」でも、使い勝手には大きな差がある。床から天井まで使える壁面収納や、ベッド下の空間を生かした設計も、面積を増やさずに収納量を増やせる工夫だ。見た目の広さより、荷物を実際に置ける容積と取り出しやすさが満足度を決める。

在宅勤務が収納の意味を変えた

コロナ禍以降、在宅勤務が定着し、住まいは眠る場所から働く場所にもなった。パソコン、書類、モニター、充電器といった仕事道具は、一日の終わりに隠せる収納があるかどうかで、気持ちの切り替えやすさまで変わる。仕事道具が視界に残る部屋では、休日もなんとなく落ち着かない。

つまり収納は、物をしまう場所であるだけでなく、生活の場面を切り替える装置でもある。ここが、従来の収納の考え方と大きく違う点だ。収納が足りない部屋は、片付けられない自分への不満につながりやすい。住まいの不満が物件ではなく、自分自身への失望として現れる点も見逃せない。

収納の不満は住み替え需要を生む

この不満が積み重なると、更新のタイミングで住み替えを考える人が増える。賃貸の平均的な入居期間は数年といわれ、更新時期は住み替えが動く節目である。収納が足りないという理由は、家賃を多少上げてでも解決したい動機になる。

今後は、専有面積の大きさを競う時代から、収納の使いやすさで選ばれる時代へ移っていくだろう。同じ面積でも、収納の設計が優れた住戸が空室になりにくい、という差が広がっていくと考えられる。

ビジネスへの影響

賃貸経営では収納の改善が空室対策になる

賃貸物件のオーナーにとって、大がかりな間取り変更は費用が重い。だが、収納の改善なら小さな投資でも効果が出やすい。クローゼット内に可動棚やハンガーパイプを追加する、玄関に靴箱以外の収納を設ける、天井近くに吊り戸棚を足す、といった工事は、数万円から十数万円の範囲で可能な場合が多い。

物件の紹介ページでは、収納の写真を増やし、奥行きや高さの寸法を明記したい。「収納あり」と書くだけでは、借り手に違いが伝わらないからだ。内見に来た人は、収納の扉を必ず開けて確認する。そこで広さと使いやすさを実感してもらえるかが、成約を分ける。

住まい選びでは入居後の荷物量から逆算する

住まいを探す側は、現在の荷物の量を先に把握しておくと失敗を減らせる。衣類の量、持っている家電、在宅勤務で必要な道具を書き出し、必要な収納の容積を見積もる。そのうえで、内見ではメジャーを持参し、収納の奥行きと高さを測るとよい。

企業が従業員の住宅手当や転勤時の住居紹介を担当する場合も同じである。広さや駅距離だけで物件を提示するのではなく、収納の条件を確認項目に加えれば、入居後の不満や早期の住み替えを防げる。収納という見落とされがちな条件に目を向けることが、住まいの満足度を上げる近道になる。

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